アメリカ音楽

英:American music     独:amerikanische Musik
仏:musique americaine   伊:musica americana

通常は北米合衆国およびカナダで生まれた音楽を指す(中南米音楽とは区別される)。
北米の芸術音楽は北米の文化全般と同じようにヨーロッパから移植されたものを根幹とし、
それに北米の民族や北米人の生活から生まれた要素を加味した特色を示す。


アメリカ移民時代(開拓時代)

移民の多数を占めるイギリス系民族が文化を支配したので、イギリスの民謡や賛美歌が
深く根を下ろした。



合衆国建国時代
イギリスやフランスから多数の音楽家が出稼ぎをし、イタリア人を主とする巡業歌劇団などもあって、
ヨーロッパ音楽文化の移植が徐々に行われつつあった。



19世紀
その結果として、合唱団や管弦楽団の良質なものが19世紀中頃から生まれ、歌劇団も根を持つように
なったが、演奏家は殆どがヨーロッパから移った人々で、まだアメリカ生まれの作曲家や演奏家で
高度の芸術的実力を持つものは出ていない。

アメリカ人として最初の世界的作曲家としては、E・マグダウェル(1861〜1908)だった。
彼はドイツに留学し、ピアニスト・作曲家としての名声をヨーロッパで獲得して、アメリカに帰り演奏、
作曲、教授の活動をしたが、ロマン派的作風の中にアメリカインディアンの民楽要素が取り入れられて
いることは注目される。

同様に19世紀末頃からは、ドイツに留学して、高度な作曲技法や演奏技術を身につけたアメリカの
音楽家が多くなった。

一方、通俗音楽の分野では学校音楽や賛美歌や流行歌の作曲家がかなり多く出ている。
イギリス風な通俗歌曲で知られるS・フォスター(1826〜64)は最有力な一人である。



20世紀
20世紀に入るとアメリカの産業的発展に呼応して、音楽も著しく向上、交響楽団も歌劇場も、演奏会も
優秀な音楽家達をヨーロッパから雇い入れて世界最高の標準に達したが、まだ独特の音楽文化を持たず
ヨーロッパのコピーであった。
しかし、19世紀後期から躍進した音楽教育は次第に優秀な楽人を出すようになり、また、ジャズや
カウボーイ民謡を取り入れ、或いは新傾向の技術を求めて、1930年代から独自の高度なアメリカ的
作品が現れ始めた。
創作の上でも世界に躍進するようになって、世界一の音楽国となっている。



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