バレエ音楽

英:ballet music

バレエが音楽を伴う舞踊である以上、その音楽もバレエの成立時から有ったことは当然であるが、
音楽が独立したジャンルとして意味を持つようになったのはかなり後のことである。

バレエが最初の全盛を迎えた17世紀フランス宮廷ではリュリが活躍したが、舞踊が主体であると
共に歌劇との結びつきが強く、バレエ音楽は独立した意味を持っていない。
その後も多くのバレエが作られたが、音楽の残っていないものが多い。

19世紀に入ってアダンの「ジゼル」や「海賊」、ミンクスの「ドン・キホーテ」等が有名になったが、
特に音楽が独立した意味を持つようになったのは、ドリーブの「コッペリア」やチャイコフスキーの
「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割人形」の3大バレエからとされている。

20世紀に入るとディアギレフのロシア・バレエ団が登場し、ストラビンスキーの「火の鳥」「ペトルー
シカ」「春の祭典」、ラベルの「ダフニスとクロエ」、ファリャの「三角帽子」などの他、ミロー、プーランク、
バルトーク、ヒンデミット、プロコフィエフ等の作曲によって音楽的にも重要な作品が次々に発表され
た。
アメリカでも1930年前後からバレエの急速な発展に伴って、カーペンター、コープランド、ピストン
等の舞踊音楽が生まれた。
ソ連ではロシア以来の伝統を生かしてバレエが盛んになったが音楽の面では割に成果が少ない。
クリエールの「赤い芥子」、プロコフィエフの「シンデレラ」などが比較的有名である。



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