蓄音機とレコード


(構造については省略します)

1880年頃にトーマス・A・エジソンによって発明されたものは円形の錫箔の上に音を記録した。
その後、グラハム・ベルが錫の代わりに鑞を用いて改良し、それに基づいてニューヨークの
コロムピア社が設立された。

円盤に録音することを考えたのはエミール・ベルリーナ(1929年ベルリンで没)である。
エジソンのものが上下に刻むのに対して、ベルリーナの方は横に曲線として刻んだ。

その後、電気吹き込みが出来るようになり(アクスティック式録音)、それまで不可能だった
高音が録音出来るようになり、再生の場合も電気的に忠実に再生出来るようになった。
これがアクスティック蓄音機である。
(古いレコードが鼻声に近いのは、高い倍音が記録再生出来ない為だった)

電気蓄音機(電蓄)はピックアップを用いる。ピックアップは磁石の間に小さいコイルがあって、
それに針が固定される。

長時間録音(L.P.)は、ビニールを素材とすることによって針音をなくし、溝の間隔を狭くし、
回転を遅くして演奏時間を長くしたものである。
円盤の駆動はバネから電気モーターに代わった。
L.P.の他にS.P.盤もE.P盤も使用出来るようにギアーによって3種の切り替えが出来る。




上は蓄音機の全景。下はSP盤を乗せた状態
10数年前に売り出された、電気蓄音機の
復刻版なので、本物の昔の電蓄ではな
いが、機能的には電気蓄音機と同じ。
ターンテーブル中央に出っ張っている短い
棒をレコード盤に開いている穴に差し込み
右にあるピックアップアームを持ち上げると
円盤が回り出すから、ピックアップの先端に
装着してある針をレコード盤の端に乗せる
と音が出る仕組みになっている。
SPレコード盤(直径30p) SPレコードのアルバム
LP盤レコード(直径30p) EP(ドーナツ)盤レコード(直径17.5p)
EPレコード盤(直径17.5p) EPレコード盤(直径17.5p)
EP盤にはSP盤やLP盤と同じ穴が開いている
種類と、中央に直径3.8pの穴が開いている
種類とがある。穴の大きいEP盤をかける時は
蓄音機のターンテーブルの中央にある短い棒
に左の補助器具をはめ、EP盤の穴の中に
補助器具が入るようにセットする。

レコード盤はSP盤もLP盤もEP盤も両面に
録音されているので、片面が終了したら盤を
ひっくり返して裏面を聴く仕様になっている。
EP盤の補助器具(直径3.7p)

(ジーグの自宅で撮影したものにより電蓄及びレコード盤の転載を禁止します)



          レコードについて

第二次世界大戦後まで毎分78回転のレコード(standerd playing record)は全盛を極めた。
1948年に従来のジェラックを原料としたレコードに代わってプラスチックが使われるようになり、
雑音が少なく微細な振動溝もプレス出来るようになって、コロンビア社(アメリカ)により331/3
回転のLPレコード(long playing record)が作られた。

1949年にはRCAビクター社(アメリカ)が自動演奏の簡素化の為に45回転のEPレコード
(exteded playing record・ドーナツ盤ともいう)を作り出した。

1957年にはアメリカのウェストレックス社が45−45方式を発明し、ステレオ録音されたステレオ
レコードが全盛となった。

(ちなみに、レコード盤は表裏両面に録音されています。また、SP盤はもろくて、取り落としたりすると
割れてしまいますし、レコード盤の上にピックアップのアームを取り落としたりするとレコード盤に傷が
ついて、同じ場所を行きつ戻りつして針が進まなくなります。また、使用する回数が多くなると針溝が
摩耗して雑音が入るようになったりします。  この部分はジーグの経験を書きました)



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