コラールベアルバイトゥング

コラール変奏曲

独:Choralbearbeitung

コラールは宗教改革以来ドイツに広まり、ルター派の典礼のすべての基礎となっている一種の賛美歌である。
その起源はドイツの民謡にあるが、いろいろのものの影響を受け、次第にポリフォニック楽派(シャイト、パッヘ
ルベル、ベーム、ラインケン、ブックステフーデ、バッハ)全体の基礎となった。コラールベアルバイトゥング(コラ
ール編曲)はコラールの旋律を基礎に置く極めて芸術的な多声楽曲で、コラールの旋律を付加する他の旋律に
よって、刺繍したり模倣したりするものである。

このような楽曲は13世紀から15世紀の間にいろいろな形をにおいて利用されてきたが、次に述べるような幾
つかの様式にまとめられた。それはバッハの功績に帰せられるべきものである。その技法は大部分変奏曲に
よっており、いわばコラール変奏曲と見ることが出来る。

1.対位法的コラール
  コラールの旋律は一般に上声部に置かれ、他の声部はこれに対し、固有の律動と個性的な特徴とを持って
  対位的に取り扱われる。

2.フーガ風コラール
  フーガ的技法を取り入れたもので、各楽段はフーガの一種である小さな提示部により始められ、エピソード
  (二つの主要部の間の自由な挿入部)を作っている。

3.加工コラール
  主題は全音符で入り、2分音符による他の声部の入りによるエピソードがいつもその前に来る。

4.カノン風コラール
  主題が一つまたは多くのカノン的模倣によって伴われており、その模倣は全音符、4分音符それから縮小や
  拡大によって入る。

5.装飾コラール
  上声部に提示される主題が多くの縁取りや装飾で飾られる。

6.変奏コラール
  前述の他に変奏曲の技法が示唆しうるすべての方式が次々に扱われている。

7.コラール幻想曲
  変奏コラールの場合と同じ要素を採用しているが、一層複雑で自由である。


1〜7はオルガン音楽に固有なものであるが、次に声楽的なコラールの型がある。

8.和声付けされたコラール
  四声で書かれ、旋律は上声部にある。他の声部はそれぞれ独立的に取り扱われているが、旋律の各音と
  同一音つづりで動くのを原則としている。

9.コラール・パラフレーズ
  合唱によって歌われる和声づけされたコラールと、管弦楽中の一楽器に託された旋律的変奏曲形式の取り
  扱いとが結合されている。


これら以外にも若干の技法を見いだすことが出来る。



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