クラシック(古典音楽)

英:classic music   独:klassische Musik
仏:musique classique   伊:musica classica

広義には二通りの解釈がある。
一つはグレゴリオ聖歌もバロック音楽も古いものを古典音楽というもの。もう一つはジャズやそれに類する音楽以外の音楽をクラシック、つまり古典音楽と呼ぶもの(例えばファリャもバルトークなども含めて)。狭い意味では古典派音楽(ハイドン、モーツアルト、ベートーベン初期まで)を指す。


ここでは狭義の古典音楽の説明にとどめておく。

クラシック(古典)の語が芸術に使用されたのはまず文学の分野であって、ギリシャ、ローマの古典芸術の復興を目指した芸術の表現法の一つである。

音楽の分野にこの芸術運動が起こったのはその後間もないことだった。
今まで宗教に属していた音楽を解放して、音楽の為の音楽とし、整然とした形式のもとに絶対的な音楽を書くようになった。それは単声音楽(ホモフォン・スタイル)の新興とも深い関係があるもので、その完成の時期は1780年以降ハイドンとモールアルトがヴィ−ンに集まって互いに芸術的に交流し、ベートーベンがヴィーンに来てこの二人の先輩の偉業を受け継いだ頃1800年前後のことで、それを音楽形式の上から突き詰めればソナタ形式の完成である。

この形式こそはソナタ、交響曲、協奏曲、その他あらゆる室内楽の根本的な形式で今日まで伝わってきている。だから、ごく外面的にいえば、ソナタ形式の音楽は古典的である。


なお、ついでながら、バッハの多声音楽は同じ古典ではあっても前古典と呼ぶべきである。



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