シンバル

英:cymbal   独:Becke
仏:cymbale   伊:piatto

鉦属の打楽器。金属製の円盤で2枚を一組とする。両方を合わせると外側に軽く湾曲して、
中央の凸部には革の握り帯がついている。
楽器の大きさは直径27〜47pくらいまでを通常とする。
円盤の振動数は材質の厚さに正比例し、直径の自乗に反比例するから、厚みを増せば
高い音を出して、直径を伸ばすと低い音になる。
良質の楽器ほど余韻は長いが、振動を止めればすぐに止む。

トルコ式とと中国式があり、合金の比率や形態を異にする。
一般には真鍮製のトルコ式が用いられている。
中国式は青銅に近い材質で、円の周囲がやや反り返り、深い響きを持つが、鈍重である。

この楽器は打った瞬間よりも、その直後に大きな響きを出すのが特徴である。
大太鼓の音に良く溶け合うので一人の奏者が併用する場合も多い。この際は太鼓の胴上に
一方の円盤を固定し、片方を左手に持ちながら右手の桴とともに強いアクセントを刻む。ただ
この方法ではシンバルの効力を完全に生かし切ることは出来ない。


奏法
 1.両手で摺る(する)ように打ち合わせる(基本奏法)
 2.撥で一枚だけを打つ。軟らかな頭で打つと、基本奏法で打つよりも軟らかな音になるし、
   固ければ、より明確なタッチになる。
   撥打ちは倍音が少なくなるから余韻の音質も両打と異なる。
 3.トレモロ
    イ.1枚を1本の撥で連打する。
    ロ.2本の撥で連打する。記譜法はティンパニの場合と同じ。
    ハ.2枚に隙間を空けて1本の撥で上下に連打する。
 4.重ねた2枚の上から撥で打つとジンという音がする。
 5.両打ちの後、振動中の両方を軽く触れあわせると、ジル・ジル・ジルというような音が
   次第に弱くなりながら(dim.)持続する。
 6.1枚を撥打ちの後、もう1枚との間に撥の頭の無い方を挿入すると、ケル・ケル・ケルという
   ような音が次第に弱くなりながら(dim.)持続する。
 7.スタカート
    両打ちではそれぞれを奏者の胸に当て、撥打ちでは片方の手で振動を止める。
   



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