| 複簧の低音木管楽器。木製のゆるやかな円錐管は理論的な長さ２．９５メートルにも及ぶから四つの部分に分けられているが、一管にまとまる場合も二つに折れ重なるので、楽器の差し渡しは１．５メートル位になる。 コーラングレのように金属製の細管の先に筒を取り付けて、もう一方の端を吹口部に差し込む。 ただ、楽器を構える時の角度を異にするから、その細管は更に長く更に曲がっている。 鍵の装置は一定しない。ベーム式の装置が適用されず、一孔一鍵の奮式を使用している。管が長いので、鍵を操作する位置とそれが動く場所との間に相当の距離を生ずるし、管は折れ重なっているから、近接した孔で実査には遠く離れたものもある。鍵装置がまちまちなのはそのためである。 管の基音は最低音でオーボーより２オクターブ低い。 音域は次の３オクターブ以上にもおよび、大体チェロに等しい。 低音部記号（  ）とテノール記号（ ）を併用して実音のまま記譜する。演奏の際は紐で肩から吊し下部を右の脇下にして、上端は右肩の斜め上に向ける。 右手の拇指と人差指で鍵を操作する。 鍵の配置は不定であるが作用は単純であるから運指の基準も大体において定まっている。 |