ハープ

英:harp   独:Harfe   仏:harpe   伊:arpa

撥弦楽器。
紀元前18世紀のエジプトの遺物にもあるから、その紀元はもっと古くから存在していただろう。
ヨーロッパでも、イギリス辺りではかなり古くから親しまれていたが、その古さに比べて改良の
時期は非常に新しい。

17世紀末までは弦の数を増す以外に、何一つ改良されなかった為に、半音の演奏が不可能で
近代音楽には答えられなくなってしまった。

18世紀にはペダルによってようやく半音上げられるようになったが、エラール(1811年)が
二重アクションの装置を発明してから楽器としての地位を取り戻した。

重要な作品に利用され始めたのは、ベルリオーズ以降だった。

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現代のハープは二重アクションのものを標準とする。
弦を短くしながら変調の弦を半音ずつ2回に渡って上げられるよう特殊な装置で、台座にある
7個のペダルによって操作する。

47本の弦を持ち、変ハ長調の全音階に調律されて、ピアノのような大譜表を使用する。
楽器の大きさは必ずしも一定ではないが、大体の全長は1.75メートル位。

右足の方は手前からホ、ヘ、ト、イ、左足の方は同じく手前からロ、ハ、ニと、それぞれ独立の
働きをしてその音名に相当する弦の半音に作用する。

ペダルを下まで踏み込むとシャープ、中の段で止めればナチュラル、上に上げるとフラットになる。

奏者は椅子に腰かけて共鳴胴を右肩に持たせかけて、両手の指で弾くが、小指は使用できない
から、同時に弾けるのは両手で8音まで。

弦は全音階的に張られているので、半音階を弾くのは不可能である。
転調、変化音、同一音の切分音は制限されるし、トゥリルの効果も十分ではないが、グリッサンド
は独特の効果を示す。
ハーモニックは中庸の速度で、中音域の弱い音に限られるが、その音色は素晴らしい。




上はハープの右側のペダル部分。
アイリッシュ・ハープという小型のハープには
ペダルは無い。

左の画像では左側の太い木部が共鳴胴。手前に
ある椅子に腰掛けて、共鳴胴を手前に少し倒す
ようにして右肩に持たせかけて弾く。
(ジーグが自宅で撮影したもの。転載を禁止します



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