イギリス楽派

英:English school   独:englische Schule

   イギリス音楽の性格は一般に保守的で、概して大陸のスタイルの模倣と追随に
   終わっている場合が多い。
   しかし、民族的な特異の感性が政治的、社会的な環境に恵まれた場合には
   優れた音楽的活動を示している。
   特にイギリス楽派と呼ぶに相応しいイギリス音楽史の輝かしい時代は次の4通り
   である。

    1.ダンステーブル(1453年没)を代表者とする15世紀初期。

    2.エリザベス王朝時代。バード(1543〜1623)、ギボンズ(1583〜1625)などは
      有鍵楽器のための器楽形式とピアニスティックな演奏法の確立に貢献し、また、
      タリス(1505〜1585)、ダウランド(1563〜1626)等は美しいマドリガルとソロ
      の歌曲を残した。

    3.バーセルの時代。バーセル(1658頃〜1695)はイギリスの国民的なオペラを
      確立し同時に宗教曲や器楽にも優れた作品を書いている。

   4.現代。ヴォーン・ウィリアムズ(1872〜1958)による民族音楽の再興の後を受けて、
     現代のイギリス音楽はウォルトン(1902〜)、ブッシュ(1900〜)、ランバート
     (1905〜1951)、プリトゥン(1913〜)など、注目すべき作曲家の一群を擁している。



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