短調について





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        音階の音にはそれぞれ番号や名前がついています。

      主音
        第1音には主音という名前がついています。長調ではが主音になります。
        主音がその音階の元になる音という意味です。
        曲はふつう主音で終わります。

        長調の音階の場合
                 


        短調の音階の場合

       



      短調の音階は、長調とちがう大切なことがありますから、ここで説明しましょう。


      導音(どうおん)
        導音は、音階の第7番目の音で「主音をみちびき出す音」という意味に使われています。つまり、
        主音(長調ではド、短調ではラ)に進んで終わりたいという気持ちを起こさせる音です。
        主音で終わる感じを持たせるには導音と主音との間隔(かんかく=あいだ)が半音でなければ
        なりません。全音またはそれ以上広いと終わった感じが薄いか、終わった感じがしないかです。
       
        


      長音階の場合は導音主音の間が半音になっているので、このままで問題ありません。
      ところが、長調の平行調として出来上がった短音階では導音と主音の間は全音になっていて
      そのままの短音階を使って曲を作っても終わった感じがしません。
      つまり「終わりのない曲」になってしまいます。どこまで行っても終わらない曲では困りますね。
      
      そこで、終わることが出来る音階に工夫されました。その説明をします。


      自然(的)短音階(長調の平行調として出来上がったばかりの短音階で、曲には使えません)。
      ※本によって「自然短音階」と書いてあったり「自然的短音階」と書いてあるものがあります。
      



      和声(的)短音階(第7音を半音上げて導音を作った短音階です。音楽の中の和声という勉強の一つ
                   なので「和声(的)短音階」という名前がつきました)


      
        導音になったので主音に進んで終わったという感じになり、音楽として使えるようになりました。
        ただ、第6音との間が1音半という他よりも広い間隔になってしまいました。
        音階はふつう全音と半音でできています。
        1音半という広い音程なので、ピアノの演奏をする時にはひきにくい時がありますし、
        歌う時には音程をとるのに気をつけなければならないかもしれません。

        そこで、もっとひきやすかったり、歌いやすい音程が考えられました。
        第6音も半音あげたところ第7音との間が全音になり、他と平均がとれました。
        それが下の音階です。
        
        和声(的)短音階よりも演奏しやすくなりました。
        ところが、上がる時には良いのですが、下がる時には特に歌の場合、非常にむずかしくなってしまいました。
        楽器で音を出してもらわないと音程がとれません。そこでおりる時には、また工夫が必要になりました。


          ためしに歌ってみて下さい。歌いにくいことが良くわかります。
       



      そこで、半音あげた第6音と第7音をもとの高さにもどしました。自然(的)短音階の下がる音階と同じですね。
      これなら楽に歌うことができます。
      
      旋律(的)短音階
      上がる時には第6音と第7音を半音上げた音階と、下がる時には元にもどした短音階をつなぎました。
       これで上がる時にも下がる時にも演奏しやすい短音階ができました。
      これはメロディーがきれいで演奏しやすいので旋律(せんりつ=メロディー)に相応しい短音階という意味で
      旋律(的)短音階という名前がつきました。


      


       まとめ
        短音階には「自然的短音階」と「和声的短音階」と「旋律的短音階」の3通りの音階がありますが、
        音楽に使えるのは「和声的短音階」と「旋律的短音階」の二通りです。
       

        長音階に15の音階があったように短音階にも15の音階がありますが、その15の短音階全部に
        この3通りの短音階があるという訳です。