転調と調の判定−1





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    転調は、曲の途中で他の調とはちがう調に変わることです。

    転調の仕方には幾つかあって
    ○一つの調を長くしないで、途中で次々と他の調に変えていく
    ○一時的に他の調に変える
    ○曲の途中で長い部分を他の調に変える
    ○調をすっかり変えてしまうのではなく、他の調の音を借りるだけ
         等の方法があります。

    転調の記譜法(書き方)書き方には二通りあって、
     1.調号は変えずに臨時記号(りんじきごう)を使って書く。
     2.調号を変える。

    まず1.の方法の例を書きます。
    曲はクーラウの作品20の1番 ソナチネ(ソナチネ・バンド1 1番の第1楽章 ハ長調)
   
    ○メロディーの始まりの音がハ音、伴奏の始まりの音もハ音。
    ○終止音は、右手は主和音(トニック)、左手は主音。ですからハ長調です(調の判定)。
    ○この曲はハ長調で始まっているのでハ長調が主調です。


    第1楽章・第1主題から始まっています。

      

     第1楽章の終わり部分

     





     


        上の楽譜はハ短調。訳は下の図です。上の楽譜の音を和音にまとめると
     
        
13と14小節は調号を使わずに臨時記号を使ってハ短調に転調しています
        ここは「一時的に他の調に変える」にあたります。

        
13と14小節(ハ短調)は近親調的にみると主調(ハ長調)の同主調




  
     
15小節目は左手の嬰ヘ(ファシャープ)によってト長調に転調しています。
       これは第2主題をト長調に転調させる予告部分だが既にト長調になっていて、
       臨時記号で転調させてあります。
       そして、29小節目までのト長調を臨時記号を使って書いてあります。ここは「曲の途中で
       長い部分を他の調に変える」にあたるでしょう。
       ト長調の主音はト音(ハ長調読みのソ)、主和音(トニック)はハ長調読みのソシレです。
       18小節目のレシャープは単なる臨時記号です。

      
 ト長調は近親調的にみると主調(ハ長調)の属調




       次の30小節目メロディー3番目のファをナチュラルでヘ音にもどしてハ長調に転調させ、
       続く展開部を主調のハ長調にしてあります。

 

    31小節目のソシャープは単なる臨時号です。
    32小節目の低音部は一見ト長調のように見えますがハ長調の属七の和音です。


    長くなるので展開部は次の「転調と調の判定−2」ページに書きます。