国民主義
英: nationalism 独: Nationalizmus
仏: nationalisme 伊: nazionalismo
音楽に於ける国民主義は、19世紀後半に東と北ヨーロッパを中心に起こった。 それは、伝統的なヨーロッパ音楽(特にドイツ音楽)の影響から脱して、それぞ れの民族固有の音楽を創造しようという運動である。そのため、襲来の音楽か らは全く無視されていた諸民族の民謡や民族舞曲の特徴を用い、自国語によ る声楽曲、オペラ、交響詩等の作曲に於いて、国民的性格を表現しようとする ものである。 国民主義の先駆はロシアであり、1836年に初演されたグリンカ「皇帝に捧げし 命」は、ロシアにおけるイタリアオペラの伝統を破った最初の国民音楽とされて いる。 グリンカの後継者としてはオペラ「ルーサルカ」(1856年初演)の作曲者ダルゴ ムィジュスキー、更に評論家スターソフを中心に結ばれた「五人組」が出た。 ムソルグスキーの「ボリス・ゴドノフ」、ボロディンの「イーゴル候」、リムスキー コルサコフの「数々のオペラは国民的な音楽の典型である。 |
国民主義を継承した作曲家 エルケル(1810〜93 ハンガリー)=国民主義最初のオペラ「Bashiry Maria」 スメタナ(1824〜84 チェコ)=最初の国民オペラ「売られた花嫁」、その他 交響詩「祖国」の中でボヘミアの風物詩を巧みに画いた。 ドヴォルザーク(1817〜1904)オペラや器楽曲において国民主義の手法を用いた。 (スメタナの後継者といわれている) ヤナチェック(1854〜1928ボヘミア)=オペラ「イェヌファ」 (ボヘミアのムソルグスキーと言われた) ガーデ(1817〜90 デンマーク)=スカンジナビアの国民学派の基礎を気づいた。 グリーグ(1843〜1907 ノルウェー)=イプセンの劇「ペールギュント」(1874) (国民主義の優れた作曲家) シベリウス(1865〜1957 フィンランド)=交響曲・交響詩(国民主義に於ける 20世紀随一と言われている。 etc. |
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