共鳴説
英:resonance theory 独:Resonanztheorie
仏:theorie resonantielle
ヘルムホルツによって唱えられ、その後部分的修正を経たが、現在最も優勢な聴覚説。 内耳の蝸牛殻に納められ渦状に巻く帯状の基礎膜はその長さの方向に直角に走る繊維群 から出来、入り口(蝸牛底)の方が短くて緊張し、奥に行く程(蝸牛頂に近づく程)長くて緩ん でいる。 丁度ピアノかハープの楽器の状態をなしている。 神経反応は一般的に各神経に特有な刺激に対して反応するという特殊神経エネルギー説 から推論して基礎膜の各神経は、それぞれ固有の振動数に共鳴するものと推察される。 従って、複合音は再び基礎膜によって、各成分に分析された共鳴を受ける訳である。 この説は耳による倍音分析可能の事実や部分聾(音島、音感隙)の存在を最も雄弁に説明 出来る。 この説はピアノ説またはハープ説とも言われる。 ただし基礎膜を構成する各繊維群の並列は互いに完全に分離した弦とは異なり連帯した膜 を構成しているから、常にある程度の全体的な強制振動が背景に存在することが推論される。 |
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