木管楽器

英: wood wind instrument 独: Holzblsinstrument
仏: instrument a vent en bois  伊: stromento di legno 



    笛の類。
    必ずしも木製に限らず、金属やその他の物質で作っても差し支えない。 

    現在使用されている木管は次の3種。細分して6種類に分類される。


    1.無簧、円錐管、フルート族。 
 
    2.複簧、円錐管。
      (a)オーボー族、サリュソフォーン族。
      (b)ファゴット族。 
 
    3.単簧。
       (a)円筒管、クラリネット族。
       (b)円錐管、サリュソフォーン族。
       (c)抛物形(ほうぶつけい)の円錐管、サクソフォーン族。

    以上のうち最後の(c)は構造上は木管に属するが、音性の上からは木管と
    金管の間に置かれる。


    管楽器であるから管内気柱の振動によって音を発し、音性は発音源、吹奏
    法、管の形の三要素によって定まるが、次の点は金管とは根本的に異なる。

    (1)金管の発音源は奏者の唇で、吹管の形は音色を決定するにすぎないが、
       木管の場合は無簧、単簧、複簧というように発音源の構造や働きを全く
       異にしている。

    (2)発音源は一種の器具であるから、音質はそれによって定まり、奏者の
       唇は音質と音律を調節するだけ。金管のように唇の加減で音の性格まで
       変えることはできない。

    (3)金管の管形は比率のみの変化で、悉く円錐管であるが、木管の形はさま
       ざまに類別され、クラリネット族のように閉管式の音振動をするものもある。

    (4)高倍音の吹奏ができない。
       常に基音と第2倍音を使用し、第3、第4倍音の利用は一部分に限られる。
        理由 
         (a)発音源に機械を用いるから、唇のように微妙な調節が不可能。
         (b)管が短い。フリーとはハ調トランペットの半分(昔のトランペットの
            4分の1、ファゴットは小バスの半分、バスクラリネットは小バスの
            4分の1。

    (5)朝顔は音質を左右しない。多くの場合は装飾である。管側孔を開いても
       音質は変化しない。

    (6)悉く、管側孔による変音装置を採用している。
       広い倍音列が吹奏できないから、管の伸縮による変音装置は不適当で
       あるし、両手両指の殆ど全部を変音装置に向けることができる。



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