ルネッサンス音楽

英:music of the Renaissance   独:Musik der Renaissance
仏:musique de la Renaissance

  ルネッサンス文化の一部をなす音楽的現象がルネッサンス音楽と呼ばれるべきであ
  るが、どの時代のどのような現象がルネッサンス的であるかについては種々の異論が
  ある。
  一般にルネッサンス文化は古代の復興を特徴とすると考えられるが、それは美術や文
  芸についてであり、音楽の場合にはそれに匹敵する現象を見いだすことは困難である。

  14世紀のイタリアで開花したルネッサンス文化は、イタリアのアルスノーヴァに反映し、
  バラッタ、マドリガル、カッチア等の歌曲芸術に大きく貢献した。

  15世紀音楽の代表的な形式は、どちらかというと非ルネッサンス的な宗教曲だったが、
  16世紀音楽は、音楽が最も親しみ深い芸術、また身近な生活の一部として社会の
  あらゆる層に解放された結果、多くの舞曲が現れた。
  均整のとれた明晰な構造を尊ぶ舞曲形式の中から近代的な器楽形式がが生まれ、また、
  調性に対する優れた感覚とホモフォニックな手法は、他の芸術の分野にも、大きな変化を
  もたらした。
  ルネッサンス精神の特徴であるヒューマニズムと洗練された貴族趣味は、世俗的な歌曲
  芸術や劇音楽の方面に一層よく現れている。

  それらのうち、特に注目すべきものは、イタリアにおけるマドリガルの復興と、フランスの
  シャンソンであろう。



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