日本の太鼓

   「太鼓」は奈良時代に雅楽と共に渡ってきた。
   それ以前には「つづみ(都豆美)」といっていたらしく、樽型胴の太鼓を打つ埴輪が残されている。
   ヨーロッパの太鼓はトルコから、ティンパニはアラビアから渡ったものである。

   日本の太鼓の種類

    雅楽に使われる太鼓
     楽太鼓=雅楽に用いる太鼓。上部に火焔の模様を有する枠に吊り2本の撥を持って打つ。

     大太鼓=左右に置かれる巨大な太鼓。

     鞨鼓=雅楽の左方楽に用いる打楽器の一種。普通、両手の撥で両皮面を打つ。

     三の鼓=細腰鼓(さいようこ)の一種。高麗楽に用いる。右手で持った撥で打つ。


    舞楽に使われる太鼓
      大太鼓(おおだいこ)=同上

      鞨鼓(こかっこ)=同上

      三の鼓(さんのつづみ)=同上


    能楽に使われる太鼓

      締太鼓(しめだいこ)=鼓のように表革と裏革をしらべと呼ぶ紐で繋いで胴をはさみ締め上
      げて調子を整える。
      専用の台に据え2本の撥で打つ。能・長唄で単に太鼓という時は締太鼓を指す。

      大鼓(おおつづみ)=大型のつづみ。左の膝の上に横たえて右手で打つ。能生・長唄に用いる。
   
      兄鼓(えつづみ)、おおかわ、大胴。

     小鼓(こつづみ)=左手で調べ緒を握り右肩に乗せ、右手で下から打つ。この打ち方に数種の
     技法があって小鼓の妙技を発揮する。中国から渡来した一鼓、三の鼓などと同系であるが、
     奏法共に日本風に完成した。


    劇場音楽に使用される太鼓
     大太鼓、平づり太鼓、大拍子、桶胴…(現在手元に資料がありません)

     豆太鼓=平たい太鼓の両耳から糸を出し、その先に大豆を付けたもの。柄を振れば豆が太鼓
     の皮にあたって音を出すもの。 子供の玩具。

     うちわ太鼓=枚革を丸く張り、柄を付けた太鼓。日蓮宗で用いる。


   その他、祭り囃子など

     しらべ=祭囃子では締太鼓を「しらべ」と称する。



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