オペラ(歌劇) 

英:opera   独:Oper   伊:opera

オペラは大体その作品全体を通して作曲された歌の劇であるといえよう。しかし、この定義は
オペラを広義に解した場合であるが、オペラという語の使用範囲は制約を受ける。
(1)歴史的には「ダフネ」や「エウリディーチェ」の系統の展開したもので、それ以前の音楽劇は
  オペラと言わない。
(2)オペレッタと区別して用いられる。

オペラの本質
オペラは複雑な複雑な総合芸術である。音楽的要素はもとより、文学的指摘要素(台詞)、
演劇的要素(劇としての構成、演技)、美術的要素(舞台装置、衣装)、舞踏的要素が合体した
もので、それだけに魅力も大きいが作品としてもとかくまとまりを欠き勝ちであり、演出形態とし
ても困難なものとなる。特に劇的なものと音楽的なものとをいかに調和し、或いは何れに重点
を置くかは常にオペラの問題点をなっていた。

オペラの構成
オペラは最初から最後迄通して作曲され、他の台詞が無いのが基本であるが、例外として音
楽の付かない台詞が入るもの(オペラコミック等)も作られてはいる。
音楽の方は独唱と合唱と管弦楽によって構成される。
独唱者は登場人物を演じ、役柄によってソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バ
ス等に分かれている。彼らは独唱するか重唱する。伝統的なオペラでは一つ一つ完結した
独唱曲が多く、劇中の順序を追って番号がつけられているのが多い。独唱者の歌う歌は詠
唱と叙唱に分けられ、その組み合わせで出来ているが、歌う場面にはカヴァティーナ、ロマン
ス、セレナード等がある。
合唱はオペラの中の群衆の役として登場する。

オペラの台本は作曲の為に特別に書かれるので、古くはオペラ台本を書く専門の人々が居た。
普通韻文で書かれ幕、場、景に分かれていることは一般戯曲と同じである。例外としてワーグ
ナーは台本も自ら作成したが、それ以後、特に現代では作曲者自身が台本を書く場合もある。



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