演奏

英:performance   独:Vortrag
伊:esecuzione

   音楽を音として時間的に鳴り響かすこと。

   作品は作曲された時成立するが、聴覚的には可能性として存在する作品を、音に現実化
   づつ行為が実演である。
   第一に楽器の技術的支配を要件とし、第二に再現行為として、作品の理論的歴史的研究
   や直感的理解により作曲内容を把握し、その音化により作品と作曲家とを代弁し、第三に
   演奏みずからも独自の表現行為として、作品を理解しつつ新しい姿に活かす自覚的創造
   の意味を持つ。
   それ故演奏は個性的であるとともに時代的発展性があり、古作品は常に新しい楽器、解釈、
   演奏様式により清新にされつつ新しい時代に再創造されてゆく。

   音楽史では永らく作曲家が演奏家を兼ねることが一般風習であったが、19世紀社会の分
   業化傾向は、音楽でも作曲家から演奏家を独立させ、分業は専門技術の高度化をさらに
   進めると共に、解釈をめぐる演奏の芸術的自覚は、19世紀後半を通じて徐々に確立された。




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