ポルトガル音楽

英:Portuguese music   独:portugiesische Musik

仏:musique portugaise  伊:musica portoghesa

ポルトガルには多くの民謡、シューラ、ファード、モルディアニ等があるが、芸術的に
仕上げることを試みず、久しく外国の影響を受けていた。
13世紀には国王アルフォンゾ一世(1248〜79)などがフランスのトルバドゥールを
宮廷に迎え入れたので、騎士的な音楽が起こった。

16世紀にはネーデルランド風の複音楽が盛んになり、D.ゴエス(1502〜53)やM.
カルドーソ(1595年没)などの大家が出た。

17世紀にはますます発展してエヴォラ派が起こったし、国王が有名な音楽図書館を
設立した。またM.コエリョ(1583年没)は、半ばカベソン風で半ばスヴェーリング風の
オルガン曲集を出した(1620年)。

18世紀には器楽にもオペラにもイラリアの影響が目立っている。器楽の方面では、
イタリアのスカルラッティが1721〜29年に宮廷にいたことから刺激されて「ポルトガルの
スカルラッティ」と言われる「ジョセ・デ・セイシアス(1709〜42)が現れ、スカルラッティ風
なソナタを数多く書いた。
オペラの方面では、ナポリ風の様式が支配した。

18世紀の終わりからようやくポルトガル民族主義的な芸術音楽を出すようになった。
その最初の代表者は有名なピアニストとしても知られたJ.V.ダ・モッタ(1968〜1948)
で、「ルシアーデン」(管弦楽と合唱)やピアノ用の「ポルトガル・ラプソディ」は、この国の
優れた民族主義音楽として有名になっている。
少し遅れて出たR.コエリョ(1891〜)も民族的なオペラや交響詩などを書いた。



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