ライ

英:rai    仏:raï 


     アルジェリア北西の港町オランで生まれた新しい感覚を持ったポップス。
     そのルーツはシェイフ(吟遊詩人の語り唄的な要素のもの)にあるといわれている。

     北アフリカの民族音楽の要素を強く残しながら、こぶし(小節)を多用した唱法、短い
     フレーズを延々と繰り返すようなメロディーとリズム、そしてシンセなども多用して独
     特のサウンドとなっている。

     元々は、沙漠を遊牧する羊飼い歌であり、ブルース(嘆き節)であった。

     それが、沙漠から町の酒場へ広がり、アコーディオンやサックスといった伴奏楽器を
     伴った都市型の音楽として形を変えたのが1950年代頃である。

     1960年代に入り、金管楽器が導入されると、踊れる音楽としての機能を持った。

     1970年代にはブーメディエンヌ大統領による極端な中央集権制度によって、過去へ
     の郷愁と自分達の音楽としてのライ(rai)への想いが再確認された。

     1979年、シェバ・ファデラが「アナ・マ・フラリ・エヌーム」を歌って以来「ポップ・ライ」と
     いう言葉が使われるようになり、その後シェブ・サーラウイ、シェブ・ハミド、シェブ・ハレ
     ドなどが登場して、これらのライはアルジェリア全土のムーブメントとなりモロッコやフ
     ランスにも広がった。



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