リズム

英:rhythm   独:Rhythmus   仏:r(h)ythme   伊:rismo

リズムは連続的に反復する時間的進行秩序であり、音楽以外の諸芸術や自然現象にも存在する。
音楽上でリズムは旋律・和声と並んで三要素の一つとされるが、時間芸術である音楽を時間的に
支配する。
リズムだけの音楽はあっても、リズムの無い音楽は存在しない。
リズムの美的効果はテンポと密接に関連し、その緩急がリズムの美的生命を決定する。
リズムの諸問題は律動学が取り扱い、作曲法においても重要な地位を占めている。


リズムの主な意味と種類

1.節奏=リズムの変化は同一音線にも多様性を与え、個性を作り出す。
       つまり、同じ音線(音の配列、例えばドレミファ)でも、全部四分音符で書く場合と、付点
      音符や短い音符を混合させた場合には旋律的に相違が生じる等。

2.韻律的リズム=強拍と弱拍が規則的に現れることによって生じる。
            強拍が小節線の右側に於かれる基本的な韻律。

3.定量的リズム=規則的にアクセントを欠くもの。
            自由リズムに数えられることもあるが、全く自由とも言えない。シンコペーションは
            一時的ながらこれに属する。

4.自由リズム=普通の定量的な拍数ではない、定量記譜法では表現出来ないリズムで、東洋音楽、
           特にインド音楽に著しい。
           しかし、自由リズムはラレンタンド、アッチェレランド、ルバート等で、厳密なリズムから
           離れる時に常に存在すると言える。

5.交錯リズム=二声部以上が同時に同一歴時中にそれぞれ2回及び3回、又は3回及び4回のよう
          に打つリズム。
          特にロマン派音楽に多い。(難解な文章なので判り易く直すと、例えば右手が16分
          音符4つ、左手が3連符の組み合わせ、或いは右手が13連符で左手が8分音符等の
          ような組み合わせ等リストやショパンによく見られる)

6.多声リズム=5に類似して二声部以上が同時に別のリズムを奏するが、互いの拍子や節奏は規則
          的な関連を欠くもの。
          現代作曲家の多くが使用している(例、ストラビンスキーの“春の祭典”や、ジャズでは
          バスやドラムが規則的な拍子を取る一方、他の楽器が即興的なずれたリズムを奏でて
          ポリリズムを作り出す)

7.複リズム=楽曲中で急激な拍子の変化が続いて起こるもので、これも現代作曲家が好んで用いる。



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