親近性

英:relationship of keys   独:Verwandtschaft der Tonarten

二つの音、または和音、或いは調が、聴者に密接な関係にあるように見え、互いに簡単に誘導
され得るように思える時、この二つの音まあたは和音、或いは調は「親近性にある」という。そして
普通に、8度(または同音)親近、5度親近、3度親近をこの新規性で論ずることになっている。

音の親近は、倍音関係によって解決されるが、それはまた、和音の親近性と密接な関連を持って
いる。そして、和音の親近性は調の親近性と相関関係にある。

調間の親近性論議に当たっては、和声的な転調を行うことを前提として考えなければならない。
何故ならば、和声的であることを特徴とした調性的音楽にとっては、主調を中心として種々な調に
転調することには他の時代にない興味がかけられてあって、調の相関関係を取り上げるとすれば、
ほぼ1700年から1870年にわたって栄えたそのような音楽のスタイルと結びつけて考えるので
なければ意味はないからである。


第一次の親近関係にある調
 まず最も近い関係をあげれば5度圏の第一5度圏内の諸調がある。
 ある調の平行調及び調号の1個差(主音の上・下5度の圏内〜属・下属それらの平行調)び範囲で
 これを第一次近親調とよんでおくが、実はその中でも和声的短調からは、下属短調及びその平行
 長調へ行く以外は少し問題がある。

同名調
 例えばハ長調→ハ短調だが、実際にはあまり親近の調として扱われてこなかった。

第二次近親調
  これの定め方はあいまいである。しかし、第二5度圏内の諸調、つまりハ長調→ロ短調、イ短調
  →ト短調というような調は実質的には後に来るものより遠い。「調の親近度は5度圏上の位置は
  比例しない」ことの注意。


広義の関係調のうちに3度親近と第二5度圏の諸調を含ませれば、残りはremote keys(遠隔調=
近親調以外の調の総称)といえよう。


用語
 日、英、独の3カ国語間に混乱が見られるが、実質的には各国語とも相当するものがある。

 日=主調              
 英=fundamental key        
 独=Haupttonart
 
 日=平行長(短)調        
 英=ralative major(minor)
 独=Paralleltonart

 日=属調
 英=dominant relative key
 独=Dominanttonart

 日=属平行調
 英=dominant relative key
 独=Dominantparallelton

 日=下属(平行)調
 英=subdom.(relative)
 独=Subdom.(parallel)


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