即興演奏
英: improvisation 独: Improvisation
仏: imorovisation 伊: imprpvisazione
ラテン語のex iomproviso(用意なしに)から由来した言葉。 音楽では楽譜の準備など、事前の用意無しに、感興のおもむくまま速やかな連想を行いつつ、 即興作曲しながら演奏することを指す。 古くは中世の単旋律聖歌でアレルヤ・メリスマの装飾唱や、フォーブルドンの伴奏声が旋律 即興として行われ、17世紀からは鍵盤で通奏低音を奏する際和音の指定を守範囲内で、 対位旋律や装飾奏法の即興的工夫が行われ、特に作曲者が鍵盤を受け持つ場合は大幅に 即興された。 17〜18世紀のイタリア歌劇のアリアでは、同一旋律を繰り返す時即興的に装飾化することが 習慣であった。 弦でも特に緩徐楽章を自由に飾ることは、コレルリ、ヴィヴァーチェ、タルティーニなどの常套手 段で、器楽協奏曲では技巧を示すカデンツァもたぶんに即興要素を含んでいた。 これらの装飾的即興と共に、16、17、18世紀の教会ではオルガニストの役務として、ミサの 合間にパイプ・オルガンの短い即興が挿入され、ソナタと呼ばれた。 これは或テーマに基づきフーガ的、変奏的に即興する「自由フォー^ブルドン」に発展する。 シヴェーリング、フレスコバルディ、ブックステフーデ、ヘンデル、特にバッハは「前奏曲とフーガ」 「オルガン・トリオ」コラール前奏曲」「終曲フーガ」の形による自由ファンタジーを得意とし、近代 にもフランク、ブルックナー等優れたオルガン即興家は少なくない。 チェンバロではD.スカルラッティ、ピアノではモーツアルト、クレメンティ、特にベートーベン、 その他モシェレス、リスト等の名手は、フーガ、変奏曲、歌劇アリア等に基づくファンタジーを演 奏会曲目の一部として行ったが19世紀半ばよりすたれた。 現代ではジャズやスウィング音楽に各楽器の即興が行われるだけになった。 |
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