古くは「そうのこと」と呼んだ。
中国が秦の時、蒙恬(もうてん)という人が作ったとされる(伝説に過ぎないという説もあるが)。
奈良時代直前に中国より我が国に伝えられた。

胴は桐材で作り、大小種々あるが基本となるものは長さ6.4尺、幅約8寸、弦数13本、各弦
に可動の柱(ぢ)を備え、調の種類に応じて自ら律を整え、右手の拇指、人差し指、中指の3
指の先に義爪をはめて弦を弾いて奏する。

左手は主として柱(ぢ)の左方において弦の張力を変化させて、律高を変え、または装飾音を
加えるのに用いる。


我が国の箏は大別して四種ある。
1.楽箏(がくそう)
  雅楽で使用するもの(弾き物)。管弦合奏の一つで義爪は非常に小さく、専らリズムを細分
  してメロディに載せるのに用いられる。

2.築箏(ちくそう)。
  安土桃山時代に北九州で起こった筑紫流箏曲に用いられるもの。近代箏曲の起源をなす
  ものである。
  主として歌の伴奏に用いられる。

3.俗箏(ぞくそう)
  江戸時代の初め八橋検校によって筑紫流箏より転化して作られたもの。
  専ら盲人の間で使用され、八つ橋流、生田流、継山流、山田流などによって楽器及び義爪
  の形に多少の相違があり、歌の伴奏、器楽曲、手事もの等に用いられ、三味線、胡弓、尺
  八等との合奏にも用いられる。

4.新箏。大正以後新興の日本音楽に用いられるもの。
  特に低音を出す為に作られた大型の“十七弦箏”(17弦を持つ)や、調弦に機械的方法を
  利用した“短箏”等がある。

  今後は弦数や機械的部分は種々に変化されるものと思われる。




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