スペイン音楽

英:Spanish music     独:spanische Musik
伊:musique espagnole   伊:musica espaguola

スペインには南国的でアラビア的な特殊な民族音楽があり、また、カンティガの豊富な集もあるが、
それに基づく芸術的な民族音楽は永く(19世紀頃までは)起こらず、イタリア等の外国の影響を
受けていた。

1845〜47年、ロシアのグリンカが来訪してからスペインにも民族的芸術音楽への動きが起こり、
まず、サルスエラを芸術的に復興しようとする機運が高まり、民族音楽の研究とこれに基づく芸術
音楽創作の熱が高まった。

この方面で指導的役割をしたのはペドレルで、民族音楽を深く研究し、古い音楽を編集し、論文を
書いて若い作曲家達を導いたほか、自ら先頭に立ってオペラその他を作曲したので“スペイン音楽
の父”と言われた。

その影響を受け、志を継いで民族音楽を樹立してのはアルベニスとグラナドスであり、この二人に
ファリャが続いた。
ファリャはオペラやバレエや器楽曲等を数多く作曲したが、民族音楽の語法を手段として自分の優
れた技巧で自在に且つ巧妙に使いこなして感情を表出した。

なお、スペインからは器楽の大家が出ている。
アルベニスやグラナドスはピアニストとして有名だったし、サラサーテやマネンはヴァイオリンの巨匠
として知られ、カザルスはチェロの名人として尊敬された。



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