スウィング

米:swing

スウィングはよく“ジャズ”と同義語に用いられるが、1920年代までは”スゥイング”なるジャズは存在していない。クラリネットのベニー・グッドマンがスウィング時代を現出させた導火線となったともいえる。

ベニー・グッドマンは1935〜6年に当時のそうそうたるプレーヤーを集めて楽団を結成し、まず編曲陣を有能なスタッフに据えてから、水際だった演奏を行った。

演奏
合奏部はすべて編曲によって一糸乱れないチーム・ワークをみせ、アド・リブ・パートと称する即興演奏部分は独奏者の才能にまかせた。

この編曲によって楽器の総合された美しさを充分に知らされ、その上に派手な独奏が展開され、しかも編曲は独奏を大いに引き立てるように書かれていた。

このようはジャズはそれまでは存在しなかったから、人々はこの機械的な美しさに魅了させられ、そのリズムに感動させられた。この観賞に味わう醍醐味を“スウィング”と称し、また、ベニー・グッドマンの音楽をスウィング・ミュージックと称し、ベニー・グッドマンを“スウィングの王者”と呼んだ。

人々はこの無言の約束である醍醐味に対し「あの人はスウィングがある」、「この演奏はスウィングが無い」等と評した。

現在ではスウィングという流行語はあまり使われなくなっているが、一般に1935〜6年以降に作られたこの主のジャズ音楽の醍醐味を、その編成の如何を問わずスウィングと言っている。
用例:あれはスウィングのジャム・セッション(アドリブ演奏を行うグループ)だ。



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