トロンバ・マリーナ
英・伊・羅:tromba marina 独:Trumscheit
仏:trompette marine
発祥地や時代は不明であるが、14〜15世紀のドイツで非常にもてはやされた。 その後オランダ、フランス、イギリスにも広まったが、18世紀後半には殆ど姿を消した。 モノコード(一弦琴。木製の共鳴胴に一弦を張り渡し、駒の移動を自由にして、その位置 を知るために目盛りが刻まれている。もっとも基本的な弦楽器)で、3枚の板を非常に背 の高い(1,4〜2,06m)ピラミッド形に作り合わせる。 その銅の一番広い表板に1本の腸弦を差し渡し(駒から上駒まで1.25〜1,72m)、 なお、オクターヴの第二弦を加えたものもある。 演奏の構えは立ったまま、糸倉の方を胸に押しつけて、右手の弓で引く。 ハーモニック音しか鳴らさない。 15世紀の終わりから16世紀の初め頃に、片足の動く駒を用い始め、その振動が表板の 象牙の小片にぶつかって、以前よりも強い音を立てるようになった。 「海のトランペット」という語彙の起こりは定かでなく、意義知る海軍の信号楽器に用いら れたという解釈は事実無根である。 後には、駒の中に21〜24の共鳴板を持つものも現れた。 原始的な楽器であるが、運指に親指を用い、自然ハーモニック音を鳴らして、機械ネジの 糸巻きを使用した、それぞれ楽器として重要である。 |
所在=音楽関連フリー素材サイト