朝典楽

嵯峨天皇の弘仁(こうにん)12年(821)に右大臣藤原冬嗣が勅を奉じて撰修した
“弘仁内裏式”に初めて創定されている。それによると次のように定められている。

元日節会(正月)   国栖(くず)の歌笛、 大歌、 雅楽の立歌、 内教坊の女楽

七日節会(白馬節会。正月)  国栖(くず)の歌笛、 大歌、 雅楽の立歌、 内教坊の女楽

踏歌節会(正月16日)  国栖(くず)の歌笛、 大歌、 雅楽の立歌、 宮人(官女)踏歌

観馬射式(5月5日)  雅楽寮奏楽

相撲節会(7月7日)  雅楽寮乱声舞楽

菊花宴(9月9日)  内教坊の女楽

新嘗会(11月中辰日)  国栖(くず)の歌笛、 大歌と五節舞、 雅楽寮立歌(倭舞)



上記は内裏式に記されている朝典楽だが、この他にも歴史上に明記されている朝典楽がある。
その主なものは

朝勤行幸(正月2~3日)  天皇が上皇の御所に年賀のために行幸される式で、雅楽寮の
奏楽に近衛府(時として公卿)の舞がある。

最勝会(正月8日)  宮中で最勝王教を一週間にわたり講ずる式であるが、その初めの日に
雅楽寮の奏楽と舞楽がある。

内宴z8正月二十日頃)   内教坊女楽

曲水宴(3月3日)  奏楽


平安中期の醍醐天皇の頃が最も盛大に行われたが現在では廃絶したものが多い。 



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