和声
英:harmony 独:Harmonie 仏:harmonie 伊:armonia
和声は、和音の連続によって生じる音楽的時間と空間。「ハーモニー」ともいう。 幾つかの単語が、或一定の秩序に従って文章を成立させるのと同様に、和音は何らかの音楽的 意図によって結合され、使用された和音の種類、和音間の結合と連続法の相違によってそれぞ れ違ったニュアンスが生まれる。この時の和音の連続に関する方法を和声という。 従って、時代、地域個人等によりさまざまな和声法がある。 広義には、複音楽初期のオルガヌム(演奏会形式で上演される宗教歌劇)にも和声はあるし、 15〜16世紀のア・カペルラ合唱には2・3・4〜8声体等による和声があるといえるし、20世紀の 無調音楽にも和声は存在する。 狭義には、近代の理論では「和声」という語を18・19世紀の調性的音楽の和声だけに限定して 用いることもある。和声的なポリフォニーとか対位法とかいう場合がそれで、これが最も狭義の和 声である。他に特定の和声の一群を和声ということがある。 しかし、18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで広く使用され、ドイツの学者フーゴー・リーマン 等によって理論的にまとめられた「機能和声法」を一般に和声学と呼ぶことが多い。 機能和声法には、主要三和音に代表される主和音(トニック・T)、属和音(ドミナント・D)、下属 和音(サブドミナント・S)というそれぞれの機能がある。 ドミナントとサブドミナントの機能は常にトニックに向かう性質を持ち、トニックに進むことによりその 機能は成就し、音楽の基本的原理である「緊張と緩和」が成立する。 このような性質をもとにTからYまでの和音によるいろいろな連結法が出来る。これをカデンツ (終止形)という。 D機能からS機能への連結は人に違和感をいだかせるため「機能和声」では用いられない。 従って、使用されるカデンツは次の3種類である。 1.T→D→T 2.T→S→T 3.T→S→D→T カデンツは文章の句読点にあたり、T和音へ終止する完全終止(V7 →T)、偽終止(V7 →Y)、 教会終止(アーメン終止)は読点に、D和音へ終止する半終止などは句点に相当する。 |
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